- ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶ水泡(うたかた)は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。-『方丈記』より
 関東にある企業の研究所に勤めた後、山口にある実家のお寺に僧侶として戻ってきた筆者のブログ

COVID-19関連2020年07月03日 20:03

A型の多い日本では都合が悪いのか、ちょっとしか話題にならなかった論文を手に入れました!
 Appendixが8つも別ファイルでついてる大作でしたが、血液型に関するところだけ(^^;)に絞って読んでみました。

<要約(血液型に関する部分)>
 イタリアとスペインでCOVID-19陽性で呼吸不全の患者1980人に関する全ゲノムと症状の解析を行った。最終的に有効者数イタリアの患者835人とスペインの患者775人、およびイタリアの対照者1255人とスペインの対照者950人を分析し、8,582,968のDNA一塩基多型との関連をメタ分析した。
 その結果、血液型を司る染色体部位との関連性が見られた。そこで、ABO血液型とCOVID-19呼吸器障害の関係を解析をしたところ、
 A 型のodds ratio:1.45(他の血液型に対するA型の罹患率1.45倍)
 O 型のodds ratio:0.65(他の血液型に対するO型の罹患率0.65倍)
に、有意差が見られた(p<0.01)。
 ということで、COVID-19はA型の人が重症化しやすく、O型の人は重症化しにくい(なんと半分の率!)だそうです。
 が、Appendixを細かく見たところ、疑問なところがいくつかあります。もちろんデーターに誤りがあるわけではなく、疫学調査特有の「結果なのか原因なのか?」という「因果関係が決定できない」という問題です。
 まず、血液型分布がかたよっていました。A型とO型で被験者の約8割を占めおり、B型・AB型の結果が分析に与える影響が少ないです。実際AB型のodds ratioは1.39と高値でしたが、サンプル数が少ない(約5%)ため「有意差なし」でスルーされています。(ちなみにB型のodds ratioは1.05で有意差なし。サンプル数約10%)
 つぎに、この解析は罹患率に血液型の差がないなら「その地区の血液型分布(対照者)とCOVID-19呼吸不全の血液型分布が同じはず」という仮説に基づいていますが、これは「その地区全員がSARS-Cov-2に暴露されている」ことが前提になります。イタリア・スペインという感染爆発した地域ではありますが、濃厚接触が起こりうる家族内では血液型が同じ可能性が高いと考えられるので、「そもそもSARS-CoV2暴露に偏りがあった」可能性が考えられます。
 まあ、しかし、これだけの大規模な分析の結果ですので、真摯に受け止めて「A型の人は注意して、AB型の人も注意して、B型の人ももちろん注意して、ついでにO型の人も注意する」ことが必要ではないでしょうか!?(A型の私は夜の街に出られません!!)



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