- ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶ水泡(うたかた)は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。-『方丈記』より
 関東にある企業の研究所に勤めた後、山口にある実家のお寺に僧侶として戻ってきた筆者のブログ

コロナが治っても変種ウイルスが肺の奥深くに潜伏2020年05月02日 20:00

 山口県でも今日一人確認されましたが、コービッド19がいったん治癒(複数回のPCR検査陰性)したのに「再感染(発症)した」という報告が少なからずあります。
 単純な「偽陰性からの再検査陽性」と違うんじゃないかな〜と思っていたら、やっぱり出ました!!

 要は、
「症状が治まって、鼻や喉からサンプリングした検体でのPCR検査で陰性でも、肺の細胞にウイルスが残っている」ということらしいです。

 早速、元論文を見つけて(記事が孫引きだったので、ちょっと手間取りました)、読んでみました。


 原著は学術誌『Cell Research』のサイトでオンライン公開されていますが、「Letter to the Editor」ということで、査読を通過した研究論文ではなく、「こういった例がありました」という症例報告です。

 もし、これが普遍的に見られるなら、コービッド19対策が根底から崩れかねない大問題です。治癒者は「抗体を持っていて、もう感染しない」どころか、「まだウイルスを隠し持っていて、再発症し周りを感染させる(スプレッダー)可能性がある」ということです。

 まだ1例の報告なので何とも言えませんが、とても心配な情報です。

参考文献
Xiao-Hong Yao et al., "Pathological evidence for residual SARS-CoV-2 in pulmonary tissues of a ready-for-discharge patient", Cell Research, 28 April (2020)