- ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶ水泡(うたかた)は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。-『方丈記』より
 関東にある企業の研究所に勤めた後、山口にある実家のお寺に僧侶として戻ってきた筆者のブログ

防衛機制2014年07月18日 23:55

 欲求不満を解消し、適正を維持するための行動を「適応の機制」といいますが、「攻撃」「逃避」の他に「防衛機制」があります。

 ・退行・・・早期の発達段階へ戻る。幼児期への逃避。
 ・抑圧・・・苦痛な感情や欲動、記憶を意識から締め出す。
 ・反動形成・本心と裏腹なことを言ったり、したりする。
 ・隔離・・・思考と感情、感情と行動が切り離される(区分化)。
 ・打ち消し・不安や罪悪感を別の行動や考えで打ち消す(復元)。
 ・投影・・・相手へ向かう感情や欲求を、他人が自分へ向けていると思う。
 ・取り入れ・相手の属性を自分の物にする。同化して自分の物とする(取り込み)。
 ・自己への反転・相手に向かう感情や欲動を自己へ向け換える。
         (対象愛→自己愛、対象への攻撃→自己への攻撃)
 ・逆転・・・感情や欲動を反対物へ変更する(サド→マゾ、愛→憎)。
 ・昇華・・・反社会的な欲求や感情を、社会的に受け入れられる方向へ置き換える。
 ・置き換え・欲求が阻止されると、欲求水準を下げて満足する。

 これらはいずれも自我を防衛するための無意識的な働きであり、機制が適度に働くことによって、人は日常の精神的健康を維持しています。 
 これらのなかには、目標への行動を続けるためにやむをえないと認められるものと、あまりその意義が認められないものがある。ということですが、「無意識的」というところが怖いですね・・・。

参考文献
無藤隆、森敏昭ほか、「心理学」、株式会社有斐閣(2004)