- ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶ水泡(うたかた)は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。-『方丈記』より
関東にある企業の研究所に勤めた後、山口にある実家のお寺に僧侶として戻ってきた筆者のブログ
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カープは連夜のサヨナラ勝ちなどで、とうとうマジック「6」!!
野球といえば数々の野球マンガ、巨人の星、ドカベンから始まって、タッチ、キャプテン、第三野球部、H2、最近だとメジャー、ダイヤ、おお振り、など見てきてますが、一番好きなのが「メイプル戦記(川原泉)」です。
セ・リーグに新しいプロ野球チームができるが、何とそれは女性だけのチームだった!
このチームがペナントレースを戦って最後に優勝するという、まあ一種のファンタジーなのですが、主砲が日本人男性顔負けの体格とパワーを誇る黒人女性(外国人選手枠)だったり、エースが身体は男、心は女の元高校球児で甲子園優勝投手(チームメイトも女性と認めている)だったり等々「勝てるかも」と思わせるキャラ設定が秀逸で、また涙ほろり、感動ありでカワハラワールド炸裂です。
このマンガの一コマに、
「弥陀知来の御ちかひに、選択摂取したまへる第十八の念仏往生の本顧を信楽(しんぎょう)するを他力と申すなり」
「他力には義なきを義とすと、聖人(法然)の仰せごとにて、本願を信楽して往生必定なるゆえに、さらに義なしと・・・」
と親鸞聖人御消息(手紙)からの引用があります。まあ、今一般的な使われ方の「他力本願」発言のシーン(背景)なので何とも言えませんが。
ちなみに、本願寺出版社の現代語版(写真の本)では、
「阿弥陀仏の四十八願の中で、真実の願として選び取ってくださった第十八の念仏往生の本願を疑いなく信じることを他力というのです。」
「『他力においては義のないことをもって根本の法義とする』と法然聖人は仰せになりました。『義』というのは、はからうという言葉です。行者のはからいは自力ですから、『義』というのです。他力とは、本願を疑いなく信じることで間違いなく往生が定まるのですから、まったく『義』はないというのです。」
「『他力においては義のないことをもって根本の法義とする』と法然聖人は仰せになりました。『義』というのは、はからうという言葉です。行者のはからいは自力ですから、『義』というのです。他力とは、本願を疑いなく信じることで間違いなく往生が定まるのですから、まったく『義』はないというのです。」
となっています。
とにもかくにも、川原泉さんは『御消息』を読んでたってことですよ・・・ネ!?
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「仇をば恩をもって報ずべし」 ― 2017年09月18日 23:22
「仇をば恩をもって報ずべし」
『十訓抄』に出てくる言葉です。そのなかの「第一 人に恵を施すべき事」の一節。「おおよそにおいて、普通の世間の人々も情け深さを第一とするべきである」の後「仇は恩で返せともいわれている」(浅見和彦訳)。
そう言われても、なかなか難しい。。。が、心に留めておきたい言葉です。
『十訓抄』とは「説話集。3巻。六波羅二臈左衛門入道の撰述か。1252年(建長4)成る。和漢・古今の教訓的な説話を10項目に分けて収録。[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]」で、儒教的、仏教的な観点からの行動指針、あるいは処世術のような内容で、親鸞聖人と同時代の成立です。内容はもっと前の時代の話で、恵心(源信)僧都が登場したりしています。
中国古典に同様の言葉があって「徳をもって怨に報ず(漢書)」が『玉函秘抄』に書かれているそうです。ちなみに、この『玉函秘抄』の著者は藤原良経、あの九条兼実の次男(摂政・太政大臣)です。
参考文献
浅見和彦 校注・訳、十訓抄(新編日本古典文学全集51)、小学館(1997)
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