- ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶ水泡(うたかた)は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。-『方丈記』より
 関東にある企業の研究所に勤めた後、山口にある実家のお寺に僧侶として戻ってきた筆者のブログ

悪魔の娘たち2011年05月15日 23:00

 「サンユッタ・ニカーヤ」という古い仏典には、お釈迦様を誘惑する三人の「魔女」が登場します。お釈迦様はそれらを(もちろん)退けられるのですが、その魔女は「愛執」「不快」「快楽」だそうです。
 いずれも迷い・苦しみのモトになるというものなのでしょう。
 
 この魔女たち、あえて今の状況(ゲンパツ)になぞらえてみると・・・・

 利権を手放す事ができるか・・・「愛執」の誘惑
 電気不足を嘆かずに済むか・・・「不快」の誘惑
 エアコン、テレビ、ネットに携帯・・・「快楽」の誘惑

 さて、現代日本人の「智慧」は、魔女を退けることができるでしょうか?

参考文献
中村 元、仏典をよむ1 ブッダの生涯、岩波書店(2001)