- ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶ水泡(うたかた)は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。-『方丈記』より
 関東にある企業の研究所に勤めた後、山口にある実家のお寺に僧侶として戻ってきた筆者のブログ

春が近いね2013年03月01日 20:07

 夜、犬が興奮して吠えだしたので、外に出てみると近くで物音が・・・・
 慌ててカメラを取りに帰って、戻ってみると!!

  UMA(未確認動物)じゃないですよ!! アナグマです。
 山から降りて来ていました。
 寒さもやわらいできましたので、活発になったのでしょう。
 たぶん、ミミズを探しているのでしょう。あっちこっちを掘り返しています。

 それにしても・・・もう、3月ですっっっ!!! 

大雪2013年03月04日 19:42

 山梨で働いていた時、
 アパートから会社まで車で20分ぐらいでしたが、会社の近くでお酒を飲んだときは、駐車場の車の中で夜をすごしていました。

 コートを着込んでいても寒いので、
 車のエンジンをかけて暖房を効かせる→暑くて目が覚めてエンジンを切る
 →寒くて目が覚めてエンジン入れる→暑くてエンジン切る
(↑上に戻る)
 といった具合でした。

 車中とはいえ暖房がないとあっという間に冷えるんです・・・

 今回の北海道は雪・風の変化が急だったため外出して被害に遭われたようですが、自然とは本当に油断できないものです。

老い2013年03月06日 21:12

 「子供には迷惑かけられないから・・・」

 ということを皆さん言われます。
 が、
 努力しても止められないのが「老い」です。

 例えば、
 病原菌やウイルスに対しての抵抗力である免疫。その免疫に携わる重要な細胞に「T細胞」というものがあります。このT細胞は体内の「胸腺(thymus)」という器官内で分化・成熟し、きちんと働けるようになるのですが、胸腺自体は思春期を境にどんどん小さくなり、老人ではほとんど脂肪の塊になってしまいます。
 この胸腺の退縮によってT細胞系の免疫機能の低下が起ります。それは病原菌やウイルス等の「外敵」に対する抵抗性が弱くなるだけでなく、自分の組織を攻撃するような「内敵」になってしまうこともあります。

 胸腺が退縮する原因は分かっていません。仮に若いときの胸腺の組織を冷凍保存していて、年をとって退縮した胸腺と置き換えてみても、そのうちに同じように退縮してしまうそうです。ということは、今流行のiPS細胞で胸腺のもとになる細胞を造って移植したとしても「老いた体」の中では退縮した胸腺の代わりにはならないでしょう。
 逆に老いた体の中の退縮した胸腺を若い体に移植すると、胸腺は大きくなってT細胞を作り出すようになるそうです。不思議ですね。

 もう老化に抗する事はできないのですから、歳をとったら若い人に面倒見てもらって、ある意味迷惑をかけて、楽して暮らしていくくらいじゃないといけないのでは。そのためには下の世代をしっかり骨太に育てていかなきゃいけなかったのでは。

 ということを、平日にパチ○コやに入ってく若者達を見るにつけ激しく思います。

参考文献
多田富雄、「免疫の意味論」青土社(1993)

野生の王国2013年03月10日 21:47

 夜な夜な出没して、犬を寝不足に陥れているヤツは・・・
ニホンアナグマ1-20130310
 「ニホンアナグマ」でした!!!
 ミミズをゲットしているところでしょう。

 暗闇の中、音と影を頼りにあせってシャッター押すので、なかなか良い絵になりません。
 しかし、鋭い爪がはっきりと?!・・・
ニホンアナグマ2-20130310

東北大震災から2年です2013年03月14日 17:37

 3月11日の東日本大震災から2年が経ちました。ニュースを見ていると復興にはほど遠いようですね。そのような中で、被災した子供達が頑張っているのを見ると、こちらが励まされます。

 先日の北海道での大雪もそうですが、場所によって住人が負う環境的な「リスク」には大きな違いがでます。もちろん、その場所には「ベネフィット」(利益)が見込まれるからそこに住む訳で、「リスク」と「ベネフィット」が釣り合う(イコールと言う意味ではなく)ギリギリのところまでが、人類の生存圏だったのでしょう。
 この「ベネフィット」の中には、飢えや迫害から逃れるといったようなネガティブなものも含まれるので、あっちよりは「まだまし」的なところもあったでしょう。もっとも、過酷な環境を克服しようとすることで、人類は様々な技術を身につけてきたとも考えられますので、地球上がすべて「楽園(定義はあいまいですが^^;)」だったら、我々ホモサピエンスはまだまだ「モンキー状態」だったかもしれませんね。

 今や人間はその気になればどこででも生活できるんじゃないかって気がしますが、そうは言っても環境のリスクを一様にすることはできません。しかし、実際に災害を受けたところに対して、過酷な環境を克服して来た「知恵」を働かせて、困難な状況を解決していってこそ人間ではないでしょうか。
 なんだか「えらい人たち」は「モンキー状態」が多いな〜と思います。自分たちだけ安全な檻の中で、リンゴやバナナを手にして喜んでいてよいのでしょうか・・・。

 しかし、、、、安全ではなく危険な檻の中って状況になりそうではありますね。今後の日本は・・・。今の私たちは過酷な環境に身をさらして生きていけるのでしょうか。

脳死2013年03月15日 17:35

 先月の「連続研修」は私が講師でしたが、テーマの一つは脳死と臓器移植でしたので、いろいろ調べました。 

「脳死とは脳幹* を含む脳の機能が不可逆的に停止した状態をいう。

   *脳幹・・・大脳の外套、辺縁系と小脳を除いた部分。脳幹は大脳半球、小脳および脊髄の諸部分と密接なつながりをもち、脳幹に不可逆性の機能喪失が起ると大脳もその機能を保持できなくなる。脳幹部には呼吸中枢があり、この機能が損なわれると自発呼吸が止まって死にいたる。」

 ところで、従来の「死」の判定は「三徴候死」といって、
   ①心拍動停止
   ②自発呼吸停止
   ③瞳孔拡大・対光反射消失
 だそうです。
 ドラマなんかで、倒れている人に、「首に手を当てて脈を診て、顔に耳を近づけて息をしているかどうか確認し、瞼をぐいっと開かせてペンライトみたいなものを眼球の前でチラチラさせる」のがこれですね。

 ちなみに、いわゆる植物人間状態は脳死とは全く別の状態です。
「植物人間・・・大脳は機能を喪失しているが、脳幹は正常な状態。自発呼吸ができるため栄養を与えれば生きていけるが、意識はなく昏睡状態。」

 さて、「脳死」の状態でも人工呼吸器を装着すれば、体内の酸素供給は確保されるので、しばらく心臓は動き続けます。しかし、呼吸器をつけたままでもいずれは心臓が停止します。ということで、脳幹の機能喪失は死と直結しているのですが、現在は人工呼吸器の発達によって、「脳死」と「死」に時間的な隔たりがある事が問題となります。

 なぜ問題になるかというと、この「脳死」の間に臓器を取り出して、別の人間に移植することが可能だからです。
 (「臓器移植」に続く)

参考文献
 ブリタニカ国際大百科事典 小項目版(2011)
 南山堂医学大辞典第19版、株式会社南山堂

臓器移植2013年03月18日 17:39

 「ある病院で、それぞれ異なる臓器の不全をもつ五人の患者が死にかけている。それぞれはその特定の欠陥臓器の代わりを提供してくれるドナーが見つかりさえすれば救われるのだが、誰一人見つかっていない。そのとき外科医は待合室に健康な一人の男がいることに気がつく。彼の五つの臓器はすべて順調に機能しており、移植に適している。この場合、一人を殺して五人の命を救う」ことをどう思うか?

 これは、リチャード・ドーキンスが『神は妄想である』のなかで、生物学者マーク・ハウザーによる道徳感覚の調査のための設問の一つとして紹介しているものです。
 ほとんどの人は「そんなことは許されない」と思うのではないでしょうか? 

 では、待合室にいるのが
 「脳幹が機能喪失してもとに戻る可能性がない、人工呼吸器をつけている人」であったらどうでしょうか?
 私はわざとこういう書き方をしましたが、これが
 「脳死の人」としたらどうでしょう?
 臓器移植によって五人を救う方向にぐっと傾くのではないでしょうか? つまりは、そういうことです・・・。

 そもそも「脳死」を「ヒトの死」とすることの議論は「臓器移植」を推進する議論です。移植される臓器は「生きて」いないといけません。過激な言い方をすれば、「死んでしまう前に、その人から生きている臓器をとりだす」必要があり、それでは「殺人」になってしまうので、「脳死を人の死」と規定した。でしょう。過激ですけど。

 さて、2010年のレポートによると、「脳死はヒトの死が妥当か」という質問に対して国別の調査結果では、日本は「脳死がわからない」との答えが約30%ということです。この数字は、アンケートを行った他のすべての国(ドイツ6、フランス8、イギリス19、アメリカ11%)に比べて高い数字です。これに伴って、「脳死はヒトの死が妥当」との答えは日本が一番低いです。
 これらの結果は日本人の生命観によるものと思われますが、宗教界の態度も影響を与えているような気がします。

 キリスト教(ローマ法王庁)は、臓器移植に積極的な賛成をしており、ドイツ司教協議会とドイツ福音主義教会常議員会も「臓器移植にそなえることは隣人愛のしるし」としています。
 一方、日本の仏教界やキリスト教会は統一した見解があるわけではなさそうです。特に仏教界はどちらかというと反対の主張が強い様な気がします。浄土真宗本願寺派も統一した見解はありませんが、反対の意見の方が多いような気がします。

 日本の臓器移植法は2010年の改正により「本人の臓器提供の意思が不明な場合にも、家族の承諾で臓器提供が可能」となりました。「脳死がわからない」と言ってる場合ではなくなっています。

 日本臓器移植ネットワークのHPによると、臓器移植が必要と登録されている人数は13,000人で、移植を受けられる人は年間およそ300人だということです。

 皆さんは「脳死」と「臓器移植」について、どう思われますか?


 ちなみに、私は「脳死・心臓死による臓器提供」に○してます。


参考文献
 リチャード・ドーキンス(垂水雄二 訳)「神は妄想である」、早川書房(2007)
 峯村芳樹ほか「生命観の国際比較からみた臓器移植・脳死に関するわが国の課題の検討」、保健医療科学Vol.59 No.3 p.304 -312(2010)
 小原克博「脳死・臓器移植をめぐる日本のキリスト教界の動向」、「宗教と社会」学会「日本社会とキリスト教」プロジェクト研究会(2000)
 浄土真宗本願寺派研修部「ささえあう なかま」、本願寺出版社(1996)

南海トラフ巨大地震被害予想2013年03月22日 22:05

 先日、
 「南海トラフ巨大地震」が起ったときの被害の試算が発表されました。

 被害額は従来予想の約3倍で、国家予算の2倍超となるそうです。

 
 しかし、この期に及んで、
 「原子力発電所は、地震発生と同時に運転を停止するものとする」
 と書いてあり被害の想定はしてないようです。

 でも、レポートの最後方の、
 【更に厳しい被害様相】の項目に、
 ・ 原子力発電所に何らかの異常が発生した場合、緊急的な対応が必要となる。

 と、ひっそりと書かれてありました・・・。

 「緊急的な対応」って何をするんですかね? できるんですかね?

参考文献
 内閣府、南海トラフ巨大地震の被害想定について(第二次報告)(2013)

ムササビきたーっ!!2013年03月26日 22:42

 夜にふと空を見上げると・・・、
 門徒会館の屋根からすぐ裏の木に向かって、四角い物体が「ピュー」っと。

 ムササビです!! しっぽが見えました!!

 4年前に戻ってきてからは初めての遭遇。
 いや〜、春ですね・・・・?