- ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶ水泡(うたかた)は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。-『方丈記』より
 関東にある企業の研究所に勤めた後、山口にある実家のお寺に僧侶として戻ってきた筆者のブログ

2015年開幕2015年01月03日 00:45

 また、新たな年を迎える事ができました。
 僧侶になる前は「あたりまえ」に思っていましたが、とても有り難いことなんですよね。歳は関係ないんです。本当に。


 さて、
 去年は大きな行事があって、いつにも増して「あっ」と言う間の一年でした。
 当日までは継職法要一色でしたし、終わった後も今にして思えば「五月病」じゃなかったのかっていうくらい、体調が良くなかったというか、集中できていなかったというか・・・。
 気付いたら年が明けていました。。。(苦笑)

 しかし、自分の事は抜きにしても、いろいろな事がおこりましたね、日本では。

 今年はどんな年になるのでしょうか???

一年の計は元旦にあり2015年01月04日 01:05

 「一年の計は元旦に有り」
  とは言うものの、なかなかじっくりと考える時間がとれないのが悩ましい。
 そもそも、「もう来年の年賀状書いてるの?」って状態がなんとも切ないのですが・・・。


 会社に勤めていた時、後輩の女の子が、
「年賀状に子供の写真を載せてくるのは迷惑ですよね〜〜」
 って、愚痴ってました。母親に「あんたはまだか」みたいなプレッシャーをかけられるからだとのこと。
 そんな彼女も、今や立派な一児の母。
 そしたら、年賀状にちゃっかり子供の写真が載ってたので、思わずコーヒーを噴き出してしまいそうになりました。(笑)

 さてさて、そのような年賀状を見なくても、周りからたっぷりプレッシャーをかけられているので、「今年こそ」と思っているしだいです。

「風刺」文化2015年01月09日 21:15

 フランスで大変な事件が起きていますが、きっかけは「風刺画」だと言われています。

 「風刺」をブリタニカ国際大百科事典(小項目版)で引いてみると、

『個人の愚行,政治の欠陥,社会の罪悪などに対する批判や攻撃を,機知に富んだ皮肉,あざけり,あてこすりなどの形で表現した詩文。』

 とあります。まあ、いきおい悪口になりかねない(ほとんどなっている?)表現手法ですが、それだけに作り手も受け手も技術がいる事なのではないでしょうか?

 特に強く思うのは、「風刺」というのはある意味「身内」にしか向けてはいけないことなのではないか、という事です。

 そこには、
 『「上以風化下、下以風刺上」=上は以て下を風化し、下は以て上を風刺す』
    [改訂新版 漢字源 株式会社学習研究社]
 と詩経にあるように、
確然とした「上下関係」の中で、しかも下→上へという一方的な方向性が存在するから成り立つのではないでしょうか。直接言えないから風刺する。上下関係が存在するということは、同一グループ内とか、組織内とか、為政者と市民とか、そういう範疇であるということではないでしょうか。

 件の風刺画への批判に対して、表現の自由云々といった論調があったように記憶していますが、何でもかんでも「風刺の対象」として良いとは思わないんですけど。
 例えば、取引相手の会社社長の風刺画を社内報に載せちゃったりできないでしょう。それとも「風刺がわからないなんて、劣った文化だな〜」とでも言うつもりなのでしょうか?


 もちろん、今回の襲撃事件に対して犯人を擁護するつもりはないですし、襲撃されて当然だとも思っていません。しかし、こういう事件が起きて沢山の被害者がでてしまった事に対して、「言論の自由への挑戦」みたいな事を聞かされると、違和感を覚えてしまいます。

花燃ゆ 見てる?2015年01月13日 21:15

 (とりあえず今は)長州が舞台ということで、「花燃ゆ」を初回から見ています。リアルタイムでは無理なので、録画してじっくりと。
 面白いかどうかはまだ分かりませんが、吉田寅次郎がらみなので、出てくる人物の名前をみてるだけで萌えま・・・じゃなかった「燃え」ます。
 あと、「風雲児たち幕末編」とかぶってくるので、見比べるのも楽しいかも・・・。

 時代が親鸞聖人とちょびっと重なるので、時代背景の勉強(?)にと見ていた「平清盛」が今一な評価だったので、ちょっと不安。

 しかし、文さんが何歳になるまでやるのか分かりませんが、幕末維新が駆け足になってしまうと、分かり辛いドラマになりそうな予感。文さん目線にしたとしても、久坂玄瑞を流すわけにはいかないので、それは大騒動ですよ・・・。
 状況説明ナレーションばっかりのダイジェストのようになったら嫌だな・・・・・・赤い彗星大活躍!!古っ(笑)

報恩講終わりました2015年01月16日 22:02

 親鸞聖人のご命日(新暦1月16日)にちなんで、親鸞聖人のお徳を偲ぶ「報恩講」。
 「報恩講はご本山(京都西本願寺)で」と言われているにもかかわらず、敎相寺は決まって1月14、15、16日が法要です。法話は住職(私)の手勤めで、ヒルヨルヒルヨルヒルの5席です。

 時期的にすごく寒くなることが多くて、「敎相寺の報恩講は寒いっ!!!」と言われているのですが、今年はあまり寒くはなりませんでした。でも、風が非常に強かったです。温暖化の影響?

 お供え物はこんな具合です。お華束(「けそく」と読みます。お餅のお供え物)用の餅つきから始まり、何日もかけて準備をしていただきました。
敎相寺お華束


 今までは外回りのお飾りはなかったのですが、継職法要に合わせていろいろ揃えましたので、今回は賑やかな感じでできました。
敎相寺報恩講

邦人拘束事件2015年01月24日 16:58

 山口選挙区の衆議院議員が「身代金は絶対払わん」って言ったようだが、余計な事は言わなきゃイイのにといつも思う。。。


 しかし、イスラム国もそうだけど、ボコ・ハラムやイエメンの「フシ」など「武装集団」を宗教と関連づけすぎるのはどうかと思う。

 確かに、歴史的に見て宗教的な理由で戦争したり、侵略したりしてるけど、仮にその当時「宗教」がなくても最もな理由を付けて戦争しただろうから(異教徒を改宗させる→異民族から善良な自領民を守る云々)、宗教があっても無くても関係ない。

 最も、権力者が統治に使える機関として「宗教」を選んでいた(いる)のは明白で、その足下をみて欲望を満たしていた(いる)教団の偉い方々には猛省していただきたい。

 その点、日本は特異的で、僧兵(武装した僧侶)が強訴(朝廷に力づくで要求を認めさせる)を繰り返していた比叡山を織田信長は撃滅し、反信長連合筆頭として10年間戦った本願寺勢力は疲弊・撤退。秀吉の時代は高野山の武装解除、刀狩りによる軍人以外の非武装化によって宗教勢力から武力を奪ってしまった。よってその後、いわゆる宗教戦争みたいな事は起らなかった。ただし、明治の廃仏毀釈の時は、かなりの仏教僧が殺され、寺仏が破却された。


 本来の仏教は個人が「仏になる(さとりをひらく)ためには・・・」という教えなので、一神教みたいに「一人残らず信者にしなきゃ安寧はない(←そんなことはないと言われるかもしれないが、そう見える)」と違って、他人が何を信じてようが基本的には問題にしないという、寛容さというよりは無関心さがある。

 私も例えば、武力を持ってキリスト教に改宗を迫られたら、武器を取って抵抗するんじゃなくて、改宗したふりをして「なまんだぶ」って思っていれば良いこと。
 その場合、聖書を朗読して(今でも読んだりするけど・・・)賛美歌歌って十字切ったて構わないし、言われれば「阿弥陀仏像」を壊す事もできるし、「南無阿弥陀仏」と書いてある掛け軸を破る事も踏む事もできる。だってそれは、ただの木の像だし、字の書いてある紙でしかない。そんな「すがた・かたち」にこだわる意味はない。それが仏教。

 が、神が絶対の一神教にはそれがなく、従って神が侮辱されたら反撃の正当性を主張できる。そして、そこを狙われる。
 もちろん、他人を害したり支配したりする理由に宗教を用いる方が悪いのですが。

今回の拘束事件で安倍政権を批判する人々2015年01月26日 21:54

 しかし、
 早速、今回の件で安倍政権を批判するって大丈夫か?って思う。
 全く相手の「思うつぼ」だよね。

 相手の主目的はプロパガンダなんだから、踊らされてどうする。
 しかも、国会議員が。なんか情けない。

 最初、個人宛に身代金を要求していたようだけど、お金は取れそうにないとあきらめて、宣伝に利用した。

 「2億ドル、72時間」はブラフだとすぐにわかるけど、実際強烈なインパクトだった。
 もちろん「日本が2億ドル支援した」から、こんな事態になったのではないし、向こうから見たら「中立」なんて存在せず、「味方以外は全部敵」だから本当に近づいたらダメな状態。

 プロパガンダで狙っているのは、相手の動揺・疲弊と味方の引き締・鼓舞。こういった状態は続けば続くほど効果的なので、かなり長引かせると予想される。本人と縁者の気持ちを考えると、いたたまれなくなるけど。

 現に他国の死刑囚(しかも仲間ではない)と交換という、難題をふっかけてきていて、これを解決するためには相当なリソースを消費しなけらばならないだろうし、時間的浪費も計りしれない。それだけのものを使っても、最悪の結果になる可能性がある。
 既にこうなってしまっている以上、どのような結末になっても残されたダメージは相当なものになるだろう。


 私が思うに、
 自称イスラム系武装集団にとって一番理想的なのが、イスラームが迫害されて自分たちのシンパが増える事。
 だから、今こそイスラームと協調するべきだと思う。

日本を過大評価2015年01月30日 23:35

 ISILの動きを見ていると、日本の国際社会に対する影響力を過大評価しているんじゃないかと思えてきた。

 日本人の人質を公開して、うち一人を殺害すれば(既に殺害していたと思われるが)、日本の世論が人質救出に傾いて、

 欧米や中東諸国に、
 「ISILを刺激するような軍事行動は止めてくれ。」
 「少なくとも、人質がどこにいるかがわかるまでは空爆は止めてくれ。」
 を期待したんじゃなかろうか?

 ところが、
 日本の国際社会における影響力はほとんどなく、特に軍事作戦には口を出せないので、対ISILに対する軍事行動が弱まるどころか、拠点は奪還されるし、仏空母シャルル・ド・ゴールは派遣されてくるしで、全く目論見が外れてしまった。

 最初の合成画像まで使った映像に対して、その後ISILのやり方が余りにもバタバタしているように感じる。
 イニシアティブは向こうにありそうでも、かなり焦ってる??

 日本を批判した映像が公開されているそうだが、これなんかも日本に対する失望感があらわになっているのでは・・・